2012年06月14日更新
卓球基礎講座 21 「卓球技術」−2

台上技術に続き、応用技術のご紹介です。

***応用技術***

◆ドライブ

ボールに強い前進回転(トップスピン)を与える打法。
ヨーロッパではドライブのことを「topspin」と呼ぶ。
基本打法をある程度身に付けてから習得する技術であり、基本的に「擦る」「食い込まる」の2つの方法に大別されている。
以下に代表される様々な打法が確立され、弱点とされたミドルの打法においてもそれを克服る打法がトップ選手を中心にして普及している。

また、用具やラケット、ラバーの進化や練習環境の変化に伴い、従来はパワーに難のあった女子においても一通りのドライブ打法を習得する選手が増加し、多くの戦型の選手に幅広く用いられるようになった。

ドライブは基本的には落ちる軌道を描くためスマッシュに比べて安定性が高いこと、後述するようにスピードとスピンのかけかたで様々な打球をすることができるため戦術の幅が広がることなどが広く用いられる理由である。


◆スピードドライブ

スピード重視で水平に近い軌道のドライブをいう。
トップ選手になるとスマッシュ並みの速い打球になる。
ラバーの性能が高くなったためコントロールするのが比較的容易で使用者が多い。

◆ループドライブ

スピン重視で山なりに近い軌道のドライブをいう。
ループドライブの研究が進むうちにつれ、相手側のネット近くに山なりの弧を描いた弾道でバウンドしたのち、さらに低い弾道で相手コート上にバウンドする、沈む様な軌道のループドライブが試合で使われるようになった。

通常のドライブではバウンド後に伸びる軌道を描くのに対し、ループドライブは沈み込む。
ただし、ループドライブの軌道が高くネットから遠くに着地すると遅いドライブになるため、反撃を受けることになる。
強い回転をかけながらもスピードを殺してネット近くに落とすコントロールが求められる。


◆シュートドライブ

ボールに横回転を与えるドライブをいう。
右利きの選手がフォアハンドで打った場合、左回転のドライブをカーブドライブ、右回転のドライブをシュートドライブと言う。

◆カーブドライブ

カーブドライブは(打球者からみて)利腕と反対側へ、シュートドライブは利腕側へ曲がる。
野球の変化球のように、回転軸の向き、回転量、スピードによって多彩な変化をする。
回転軸によって曲がる角度が変化し、バウンド時にもボールの飛ぶ方向が変化する。
さらに返球時にも横回転の影響を受けて打球が左右方向に変化する。
ドライブのスイングの癖で一定の横回転がかかる場合もあるが、上級者の選手は意識して回転を操ることができる。


◆パワードライブ

スピードドライブにスピンが掛かったドライブをいう。
スマッシュ並みのスピードに加えて強烈な回転をかけるため、習得するには相応の練習量、筋力を必要とする。


◆カウンタードライブ

相手のドライブに対して打つドライブをいう。
スピードのあるドライブを返球する場面もあるため、練習量だけでなく打球を判別する能力や返球するタイミングも要求される。
上級者の選手がよく用いる。


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